江沼神社長流亭災害復旧工事を行います。

更新日:2024年10月02日

令和6年に発生した能登半島地震は、地域全体に大きな被害をもたらしましたが、特に歴史的建造物や重要文化財の被害が深刻でした。加賀市もその影響を受け、国指定重要文化財である江沼神社長流亭も、柱の歪みや土庇の袖壁の損壊といった大きな被害を受けました。袖壁の内側は竹小舞だけが残り、荒壁や漆喰壁はほぼ崩れ、外側(大聖寺川側)も一部が崩落しています。内部の壁にも大小の亀裂が至るところで確認されました。しかし、長流亭は歴史的・文化的に非常に貴重な遺産であり、後世に伝えるべき価値があるため、国・県・市の補助金を活用して修理を行うこととなりました。

江沼神社長流亭について

江沼神社長流亭

大聖寺藩邸の外郭、旧大聖寺川に臨んで宝永6年(1709)に建てられた数寄屋造建築である。設計は小堀遠州とも伝えられている。
古くは川端御亭(かわばたおちん)といわれ、藩主の休息所として使われたという。
玄関扉のデザインや書院欄間の大胆な意匠など、桃山時代の名残を留めており、我が国の数寄屋建築を代表するものとして高く評価されている。

令和6年1月1日発生の能登半島地震での被害状況

江沼神社長流亭の被害写真

東面土庇支柱の柱頭、柱脚部のホゾが欠損し、足元が礎石より西側へずれてしまいました。

江沼神社長流亭の被害写真

東面土庇袖壁の損傷が著しく、土壁、漆喰が落下し、一部小舞下地からの修理が必要な状態となりました。

江沼神社長流亭の被害写真

外周石垣に変形等の破損はありませんでしたが、東面土庇袖壁の一部漆喰が崩落しました。

江沼神社長流亭の被害写真

強い揺れから聚楽壁にクラックが発生しました。

災害復旧工事の進捗状況

令和6年10月8日時点

進捗写真

旧大聖寺川河川敷での仮設足場の設置が完了しました。

工事進捗写真

下見板を取り外し、上塗り掻き落としのうえ下地の詳細調査を行っています。

令和6年10月17日現在

江沼神社長流亭工事進捗写真

袖壁については小舞補修のうえ荒壁付けまで完了しました。

江沼神社長流亭工事進捗写真

支柱も柱脚を補修し立て入れ直しが完了しました。

江沼神社長流亭工事進捗写真

部分的に荒壁の掻き落とし、小舞補修を行い荒壁の付け直しまで完了しました。

江沼神社長流亭工事進捗写真

袖壁外側の損壊した漆喰は取り除かれ、中塗り仕上げまで完了しました。

 

※この事業は国、県、市の補助金を活用して実施しております。文化財愛護シンボルマーク

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