主な展示品

船絵馬1 船絵馬2

● 船絵馬
北前船に関係した地域の神社には、よく船絵馬が奉納されています。
これは船主や船乗りが航海の安全を祈願して、あるいは無事航海を終えたことに感謝するために地元の神社に奉納されたものです。
絵馬は主に大阪の「吉本善京」や「絵馬藤(えんまとう)」などの専門の絵馬師により描かれました。

1 橋立出水(いずみ)神社奉納 「幸得丸・幸甚丸・卯日丸」 明治25年
2 橋立出水神社奉納 「毘沙門丸」 吉本善京筆 元治元年

船模型

● 船模型
船模型は船を新しく造る時に、船大工から船主に贈られるもので多くは実物の20分の1の大きさです。
当資料館で展示している瀬越の北前船主広海家の広徳丸は極めて精巧に作られており、明治20年頃の北前船の船形を忠実に現しています。

遠眼鏡(とおめがね)

● 遠眼鏡(とおめがね)
海上で船頭が他の船や陸地を見るために、あるいは問屋の主人が港に入ってくる船を確認するために使いました。
もとはオランダから輸入したものですが、器用な日本人はこれを真似て作りました。
筒を紙の一閑張りとし、漆を塗った上に金で模様が描かれています。

船箪笥(ふなだんす)1 船箪笥(ふなだんす)2 船箪笥(ふなだんす)3

● 船箪笥(ふなだんす)
船の中で大切な書類やお金、着物などを入れるもの。
海難に備えて海に投げ込んでも水が入らないようにきっちり作られています。
外側は頑丈なケヤキで更に鉄板で角を囲んでいます。
中の引き出しは軽い桐が使われています。
前扉には鉄のすかし彫りがつけられているものもありデザインも魅力のひとつです。

1 船箪笥 懸硯型(かけすずりがた) 小型の手提げ金庫
2 船箪笥 帳箱型(ちょうばこがた) 動かさない据え置きの金庫
3 船箪笥 半櫃型(はんがいがた) 衣類を入れるたんす

和磁石(わじしゃく)

● 和磁石(わじしゃく)
左 本針・正針(右廻りに子、丑、寅・・・)
右 逆針(さかばり)・裏針(左廻りに子、丑、寅・・・)
逆針の磁石は子(北)を船首に向けて据えると、磁石の指す方向と船の進路が同じになります。

引札(ひきふだ)1 引札(ひきふだ)2 引札(ひきふだ)3 引札(ひきふだ)4

● 引札(ひきふだ)
「引札(ひきふだ)」とは現在の広告チラシにあたるもので、当資料館で所蔵している引札は大阪から瀬戸内を経て、日本海の各港に寄港して北海道に至る北前船の特徴がよく表れています。
引札の発行された地域は大阪、瀬戸内の諸港、山陰、北陸から東北までの日本海側の諸港、北海道のものがほとんどで、発行者は船問屋をはじめ、茶・藁製品・塩・紙などの商店などのものです。

1 御定宿 越前国敦賀港富貴町 三田村弥次郎
2 萬問屋 備中玉島港中買町 井上栄三郎
3 船荷卸商店 加賀国安宅港 松村伊右衛門今江支店
4 船荷物取扱所 加賀国江沼郡小塩 橋本三四郎