加賀橋立のまちなみ

写真:加賀南部で生産された赤瓦が残る屋根並み

加賀南部で生産された赤瓦が残る屋根並み
橋立保存地区では、茅葺や板葺民家が主流であった江戸末期において、瓦葺き民家が多く確認できます。このことから、橋立の船主は加賀南部の瓦葺民家の先駆的な役割を果たし、この地域の瓦の普及に大きく貢献したことがうかがえます。

写真:近世の集落構造を示す道路網

近世の集落構造を示す道路網
橋立保存地区は、日本海からの海風を凌ぐため、丘陵地の谷間に集落が形成されています。道路は谷筋を通るため、地形に沿って曲がりくねりや、坂道が多くあり、集落内は通りによって様々に異なる景観を見せています。

写真:屋敷地を構成する笏谷石張りの石垣

屋敷地を構成する笏谷石張りの石垣
船主屋敷は起伏に富む地形に展開しています。屋敷地は高低差があるため石垣を築き造成されています。石垣は、その表面に板状の笏谷石を張るという独特の工法が用いられ、集落に柔らかな質感を与えています。

写真:船主屋敷の屋敷構え

船主屋敷の屋敷構え
船主屋敷は、通りに面して家屋が建ち並ぶ町家型ではなく、家屋が通りから後退して建てられる農家型を基本としています。家屋の前面には土蔵や、塀が配置され、屋敷構えにあたかも武家屋敷のような風格を与えています。

写真:船主屋敷の外観

船主屋敷の外観
家屋の外観は、切妻造妻入りの屋根をかけ、その周りに下屋を設けています。屋根には赤瓦が葺かれ、棟に笏谷石を載せます。外壁は潮風を防ぐため、船板を再利用した竪板で覆われています。