リバイCクロス

取り組んでいる事業について教えてください
私の事業は、製造や加工過程で発生する不良品である「C反」生地を再利用し、新たな価値を生み出す製品開発に特化しています。C反とは、汚れや編み目、織りの欠陥などにより出荷できない生地を指します。これらは従来、廃棄処理されることが多く、環境負荷の増大や事業者の経済的損失を引き起こしてきました。日本の厳格な品質基準のもとでは全ての事業者にとって避けられない現実です。一部施設では数トン単位でのC反発生が報告されています。私は、これらの生地を有効活用することで、資源の無駄遣いを減らし、持続可能な消費への貢献を目指しています。
しかし、C反の活用は予想以上に困難でした。主な理由の一つは、C反を市場に流通させることで価格破壊が起こる可能性があるためです。そのため、どの市場にも影響を与えない商品の開発が必要となりました。一歩進んで二歩さがる日々を送りながら、時だけが経過する中で次第に焦りや落胆が強くなっていきました。そこでまずは社名を再考することにしました。生地を活用し(Cloth)、自身の変革(Change)を図り、必ず再起する(Revive)という思いを込めて、「リバイCクロス」という社名を決定しました。
ある時、C反生地の形状を活かして、防災用の寝袋として活用できないかというアイデアが浮かびました。このアイデアは市場を乱すことなく、廃棄予定の生地をSDGsの観点からも価値ある製品に変えることが可能で、防災とSDGsというテーマの相性の良さを感じました。このアイデアは、周囲から好評を得て試作品の開発に着手しました。計画は順調に進んでいましたが、能登地震の発生を受け、試作品が被災地で役立つ可能性を感じ、補助金を活用して支援を申し出ました。現在は製品化に向けて加速しています。
この取り組みには他の企業も賛同していただいており、3月中には1000枚の防災用品を被災地に届ける計画を進めています。また、このプロジェクトをきっかけに法人化も進めており、加賀市から派遣された行政書士と協力しています。私の活動は、廃棄される生地の有効活用を通じて、社会的な課題解決に貢献し、持続可能な未来への一歩となることを目指しています。
事業を始めたきっかけを教えてください。
始まりは、私の妻の母親ががんで亡くなったことでした。いつも元気で太陽のような存在だった義母ともう二度と会えないという現実に直面し、深い後悔と共に自分の生き方を見つめ直す機会となりました。当時私は45歳で、義母は71歳でこの世を去りました。義母の年齢と自分を重ね合わせた時、残された時間が実はそれほど多くないことに気づき、自分の残りの人生をどのように生きたいかを真剣に考えるようになりました。「いっぱい笑って、人に感謝し、周りの人々を大切にする」そんな人生を送りたいという強い願いから、自分らしい会社を創業する決意をしました。この想いが、私の事業を始めるきっかけです。
加賀市イノベーションセンターまたはインキュベーションルームをどのように活用していますか?
加賀市のイノベーションセンター及びインキュベーションルームを、私のビジネス成長の重要な支援基盤として活用しています。
インキュベーションルームを利用することで、専用の事務所スペースを持つことの責任感が、仕事への集中力とモチベーションを高めてくれています。24時間アクセス可能な柔軟性と、安全で快適な環境が提供されているため、いつでも創造的な作業に没頭することができます。この自由度は、時間に縛られずにアイデアを形にできる大きな利点となっています。
一方、イノベーションセンターでは、定期的に開催されるセミナーやワークショップを通じて、専門知識の習得とスキルアップに励んでいます。これらのプログラムは、最新のビジネストレンドに関する知識を深める絶好の機会を提供してくれます。さらに、イノベーションセンターでの他の起業家とのネットワーキングは、新たな視点やアイデアの共有、協力関係の構築に非常に役立っており、私のビジネスに新鮮な刺激と成長の機会をもたらしています。

事業以外に普段はどんなことに興味がありますか。私はもう一つの事業で美容業も進めております。周囲からは事業を一つに絞るべきだという意見もありますが、人と同じことをしていてもイノベーションは生まれないと考えています。自分にしか見えない独自の景色を追求したい、その思いが私を突き動かしています。そのため、現在は二つの事業を両立させるために日々奮闘しており、この挑戦を通じて新たな価値を生み出そうとしています。

「推しの○○」を教えてください。
おすすめのアクティビティについてご紹介します。特に、SUP(スタンドアップパドルボード)をオススメします。福井県にある水晶浜や水島でのSUP体験は格別です。海の真ん中でパドルボードに乗り、仰向けになって空を眺める瞬間は、心地よい風を感じながら究極のリラクゼーションです。青い空と海の広がりの中で、日常を忘れて自然と一体になる時間は、まさに最高のひと時です!!
挑戦したいことはなんですか?
現在、私がチャレンジしたい分野は生成AIです。この革新的な技術について学び、その知識を私の事業展開や日々の生活に積極的に取り入れていくことを目指しています。生成AIの可能性は無限大であり、その応用によって業務の効率化はもちろん、新たなサービスやプロダクトの創出にも繋がると信じています。この分野における最新のトレンドや技術を身につけることで、より革新的で価値ある提案を実現したいと考えています。
あなたにとっての加賀市とは?
加賀市は、起業家や新規事業者に対する支援体制が充実しており、新しいビジネスを立ち上げるための環境が整っていると感じます。初期段階からのサポート、ネットワーキングの機会提供など、事業を成功させるための多岐にわたるリソースが提供されているため、起業家精神を持つ人々にとって魅力的な地域なのではないでしょうか。
その他伝えたいことは?
私は、周囲の多くの方々の温かい支援によって支えられてきました。そのおかげで、今の地点に辿り着くことができました。しかし、私の知識や人脈はまだまだ発展途上であります。もし私の取り組みに少しでも興味をお持ちでしたら、ぜひご連絡ください。新たな出会いを心から楽しみにしており、一緒に成長できる機会をお待ちしています。
更新日:2024年08月26日