合同会社D・D
2025年秋、石川県加賀市で開催された「加賀ロボレーブ強化交流会2025」の会場で、ドローン事業を展開している合同会社D・Dがドローン競技 「ドローンファイト」 の体験会を実施しました。本レポートでは、その担当者へのインタビューを通じて、ドローンの魅力と可能性に迫ります。

「ドローンファイト」とはどのような競技なのか、教えてください。
ドローンファイトは一言で言うと、小型ドローンを使った風船割りのタイムアタック競技です。室内で行える競技で、だいたい教室程度のスペースがあれば十分に楽しめます。競技では、針がついた小さな的(まと)を風船に取り付け、その的をドローンで押すことで風船を割ります。スタートの合図は音楽(BGM)に合わせて行い、風船を割るまでの時間を競います。
実はドローンファイトは日本発祥の競技で、今年2月には日本ドローンファイト協会主催の世界大会が、初めて開催されました。世界大会はZOOMを活用したオンライン対戦方式で日本を含む世界10か国から400名以上が参加しました。

ドローンファイトは室内競技なんですね。
使用するドローンは手のひらサイズの小型ドローンで、とても軽く安全です。コントローラーは市販のゲーム用コントローラーによく似ているため、ゲームに慣れている子ども達にも扱いやすいと思います。競技自体が屋内向けなので、先ほど申し上げたように特別な広さは不要で、学校の教室や家のリビングでもできるほどです。
実際、ドローンファイトはeスポーツの一種として位置づけられていて、インターネットで複数会場をつないで大会を開催することもできます。ドローン本体は市販されているものなので、インターネットで購入して自宅で手軽に遊ぶことも可能です。つまり、専門の競技会だけでなく、日常的なホビーや教育現場でも取り入れやすい手軽さがあります。
年齢層や対象についてはいかがでしょうか?子どもからお年寄りまで楽しめるのでしょうか?
はい、対象年齢は特に限定がなく、子どもから高齢の方まで幅広く楽しんでいただけます。実際にイベントでも小学生からシニア世代の方まで参加されます。ドローンファイトはルールがシンプルで危険も少ない競技なので、初めてドローンを触る方でも安心ですし、子どもでもすぐに覚えられます。また上限の年齢もありませんので、シニアの方々にも「ゲーム感覚でできる」と 大変好評なんですよ。
ドローンファイトを体験することで得られる効果について教えてください。
ドローンファイトには、単に遊ぶ楽しさだけでなくコミュニケーション促進や認知機能の維持向上といった効果も期待できます。まず、指先で細かなドローン操作を行うことで指先の感覚のトレーニングになり、的をねらうために空間認識能力が鍛えられます。そのため、特に高齢者の方にとっては脳のトレーニングになり、認知症予防に役立つ可能性があります。実際、仙台市でも高齢者がドローン操縦に挑戦する取り組みが行われ、「ゲーム感覚でできるので認知症予防にぴったり」といった声も聞かれています。
それから、コミュニケーションの面でも大きな効果があります。参加者同士で操作方法を教え合ったり、コツを共有したりするうちに 会話が生まれ、世代を超えた交流が促進されます。例えば、孫世代の子どもが祖父母にドローンの操作を教えて一緒に遊ぶ、といった光景も見られます。ドローンという最新ガジェットを介して自然と会話が弾むので、世代間のギャップを埋めるコミュニケーションツールとしても優れていると感じますね。高齢者にとっては若い世代との交流が刺激になりますし、子どもにとっては教える経験が自己効力感につながります。こうした相互作用が、ドローンファイトの持つ教育的・社会的意義だと言えます。

今回イベントを開催された合同会社D・Dさんの事業内容についても教えてください。御社は普段どういった活動をされているのですか?
私たち合同会社D・D(HP:https://dream-drone.jp/about/)は、大きく分けてドローン事業と自動車事業の2つの柱を持っています。まずドローン事業のほうですが、2023年1月に 「JUAVACドローンエキスパートアカデミー石川校」 というドローンスクールを開校しました。ここでは、個人や企業で活躍できるドローンパイロットの育成を行っています。スクールでは無人航空機操縦士資格(1等、2等)国家資格が取得でき、機体販売も行っています。単にドローンの飛ばし方を教えるだけでなく、産業用ドローンの活用ノウハウまで含めた実践的な専門技術を習得できるカリキュラムを提供しているのが特徴です。例えば、空撮(空からの撮影)や測量、農薬散布、社会インフラ点検、物流宅配といった様々な分野で必要とされる高度なフライト技術を、実習を通じて学べるようにしています。ドローン業界は日進月歩で進化していますが、当スクールでは業界の第一線で求められる最新スキルを最高品質のプログラムで提供し、「今必要とされる人材」を育てることを目指しています。
また、ドローンスクールでの人材育成だけでなく、農業分野へのドローン導入支援などハード面でも地域に貢献できればと考えています。現場でも事業展開しておりレーザー測量、写真測量、赤外線ドローン外壁調査の請負などの実績があり、今後は物資配送も行う予定です。私たちはこれからの石川県におけるドローン活用の基盤を作る存在になれればと思っており、スクール事業と機体提供の両面からその土台づくりに取り組んでいます。
次に自動車販売部門(Dream・Drive)ですが、こちらは文字通り自動車の販売や買取、整備などを行う事業です。社名の「D・D」はDream・DroneとDream・Driveの頭文字で、ドローンと車、それぞれの分野でお客様の「夢」を支えるという意味が込められています。自動車事業部では、お客様に楽しく安全なカーライフを提供すべく、車の販売や修理、アフターサービスまで幅広く対応しています。ドローン事業、自動車事業ともに一見異なる分野ですが、「新しい未来で活躍できる人材の育成と地域や社会への貢献」という当社の理念のもと、テクノロジーを通じて地域に役立つ事業を展開している点で共通しています。
取材後記
今回の取材を通して、「ドローンファイト」が単なる遊びや競技の枠を超えた価値を持つことを実感しました。小さなドローンが世代間の架け橋になり、子どもから大人までが一緒になって熱中する光景はとても印象的でした。インタビュー中にもあったように、孫世代と祖父母世代が教え合いながら笑顔でドローンを飛ばす様子には、テクノロジーが人と人とを結びつける力を強く感じました。
一方で、合同会社D・Dの取り組みは、ドローンの楽しさを広めるだけに留まりません。ドローンスクールの運営や産業用ドローンの普及を通じて、地域に新たな人材と産業を育てようとする社会的使命感が感じられました。 加賀市・石川県という地域に根差し、最新テクノロジーであるドローンを活用したコミュニティづくりや課題解決に挑むその姿勢は、地方創生の一つのモデルと言えるでしょう。実際、D・Dの掲げる「性別や年齢に関わらず、新しい未来で活躍できる人材の育成と地域や社会への貢献」というビジョンは、今回のイベントでも体現されていました。子どもたちには先端技術に触れる機会を、高齢者には生き生きと活躍できる場を提供し、地域の人々を巻き込みながら未来志向の活動を進めている点に、深い社会的意義を感じます。
合同会社D・Dが取り組むドローン事業は、単なるビジネスではなく、地域コミュニティへの貢献と人づくりに直結しています。その社会的意義は、ドローンファイト体験会の笑顔あふれる光景に象徴されていました。テクノロジーを通じて人々を繋げ、誰もが活躍できる新しい未来を創造しようとする挑戦は、これからもきっと加賀の地で大きな花を咲かせることでしょう。
(コミュニティーマネージャー 佐々木浩二(株式会社 CC イノベーショ ン)




更新日:2025年12月25日