「学びの未来」を、0歳から。

更新日:2024年04月12日

加賀市保育ビジョンを策定しました。

    加賀市では、令和5年度から、幼児教育の質向上事業として、レッジョ・エミリア・アプローチからの学びを取り入れた、子どもたち一人ひとりの創造性を育む保育・教育に取り組んでいます。

    今般、加賀市の保育の将来像や展望などを示す「加賀市保育ビジョン」を策定しましたのでお知らせいたします。

「創造性をはぐくむ保育・教育の実践」のこれまでの取り組み

    加賀市では、令和5年度から、幼児教育の質向上事業として、子どもが育つ豊かな学びの環境創出を目的に、レッジョ・エミリア・アプローチからの学びを取り入れた、子どもたち一人ひとりの創造性を育む保育・教育の推進に取り組んできました。


 また、加賀市の学校教育における新しい指針「Be the Player」の取り組みとも連携し、乳幼児期の学びの芽生えを学童期につなげていくための関係者間の対話・研修実施などの体制整備(小学校教育との円滑な接続の推進)にも力を入れてと取り組んできました。

 

    レッジョ・エミリア・アプローチとは、北イタリアの都市、レッジョ・エミリアの市立学校で取り入れられている教育アプローチで、1990年代にアメリカ版ニューズウィーク誌に世界で最も先端的な幼児教育として取り上げられたことを発端に、教育界で高く評価され、近年更に世界で注目を集めています。

    子どもは有能で豊かな可能性を秘めた存在であり、権利の主体者である、という考え方を基本として、子どもたちが自分の興味関心を起点に、自分で考え、表現し、探究していくこと、環境や地域コミュニティの参加を通して子どもたちの学びを支えていくことが大切にされています。

    加賀市において、レッジョ・エミリア・アプローチからの学びを取り入れた保育・教育の実践を進めていく際に、レッジョ・エミリア・アプローチからの学びを取り入れた保育実践や、教育・子育てを通した社会づくり、学びの環境づくりに知見をもつ「まちの研究所株式会社」と令和5年3月に包括連携協定を締結。

    この包括連携協定を踏まえ、令和5年4月より、幼児教育の質向上事業として、保育園での「創造性を育む保育・教育」の試行や「創造性を育む保育・教育」導入推進プランの策定、幼保小連携推進協議会の設置の取り組みを進めてきました。

令和5年度、事業を進めるにあたり、特に力を入れて取り組んだのが保育士間での「子ども観」の共有です。子どもをどのような存在として捉えるのか、これからの取り組みを進めるうえで最も基礎となる「子ども観」について、定例の園長会や保育実践の研修の機会等を通じて保育士同士が対話を重ねてきました。

この一連のプロセスの中で、加賀市において大切にしていきたい「子ども観」が形作られました。

加賀市の「子ども観」

「子どもは無限の可能性をもつ豊かな存在」

加賀市の子ども観を中心に、これからの加賀市の保育・教育において大切にしたい保育ビジョンと行動計画を定めた「加賀市保育ビジョン2024―2026」を、今後、加賀市民を中心に、広く周知してまいります。

※この「加賀市保育ビジョン 2024-2026 」は、加賀市の保育・教育現場におけるレッジョ・エミリア・アプローチ導入・推進業務「創造性を育む保育・教育」導入推進プランとして作成しました。

 

(加賀市 保育ビジョンから、以下抜粋)

加賀市 保育ビジョン

「学びの未来」を、0歳から。

「子どもは無限の可能性をもつ豊かな存在」。

これは加賀市が大切にしていきたい子ども観です。子どもは生まれながらに自ら生きる力と学ぶ力をもっています。この世に生まれたその日から、自らの力で世界を知ろうとしています。一人ひとりが「生まれながらに有能で、豊かな存在である」ということです。

 

こうした子ども観と保育ビジョンは、北イタリア発祥の“レッジョ・エミリア・アプローチ”からの学びを踏まえ、加賀市の保育現場に関わる先生たちとの対話から生まれました。“レッジョ・エミリア・アプローチ”は、「子どもは有能で豊かな可能性を秘めた存在であり、権利の主体者である」という考えを基本としています。そして、子どもたちの興味関心を起点とし、自分で考え、表現し、探究していくこと、創造性あふれる学びの探究プロセスを、環境やコミュニティの参加を通して支えていくことを大切にしています。

 

私たち加賀市には、誇れる歴史と文化、四季折々のすばらしい自然環境、そして何よりも、懐深い人々とのつながりがあります。子どもたちが大きくなり巣立っていっても、「またここへ戻ってきたい」と思えるような居場所を教育から生み出していきたい。そして、加賀市の学校教育ビジョン「Be the Player」(自分で考え 動く 生み出す そして社会を変える)へとつながる、0歳からはじまる加賀市独自の教育アプローチを、これから皆さんと共に育んでいきたいと考えています。

 

今、私たちは先行きが不透明で予測困難な時代を生きています。そして、子どもたちはこれから、答えのない世界を生きていくことになります。教育の未来を描いた「OECD Education 2030」では、「複雑で不確かな世界を歩んでいく力」のひとつとして、知識やスキルの獲得だけではなく、それらを幅広い領域に活用しつなげていくことの大切さが示されています。また、「社会を変革し未来を育んでいく力」としては、「新たな価値を創造する力」「対立やジレンマを克服する力」、「責任ある行動をとる力」の3つのコンピテンシー(行動特性)があげられ、何よりも、自分や地域コミュニティ、また共生するすべてのもののwell-being、すなわち「豊かさ」を大切にしていく重要性が示されています。

 

まだ見ぬ未来を生きる子どもたちに、「豊かさ」を手渡していくために。私たち大人は、子どもたちが目を輝かせながら心を動かす姿を中心に置き、加賀市が持つまちの資源を最大に使いながら、地域の人たちと共に、まちぐるみで新しい保育・教育を創造していきたいと考えています。

加賀市の新しい保育ビジョンで大切にしている“子ども観”。

私たちは子どもを、生まれながらに“100の言葉”をもち、無限の可能性を秘めた豊かな存在と考えます。「子どもたちの100の言葉」は、教育思想家・実践者であったローリス・マラグッツィによる詞で、レッジョ・エミリア・アプローチの根幹となる思想を表したものです。子どもは人間として、100の言葉、100の考え、100の表現方法、100の理解の方法をもっている。子どもたちはさまざまな実体験それぞれを切り離すことなく、織りなす思考を通して他者と出会い、学び合う。子どもたちの力強い姿、限りのない可能性を表現しています。

 

私たちは、加賀市が大切にしてきた“子どもたちの想いに寄り添う保育”を、これからも育み続けていきます。そして「子どもたちの100の言葉」の中で語られる子どもたちの姿から、一人ひとりのもつ子ども観をあらためて振り返り、レッジョ・エミリア・アプローチの学びを取り入れた新たな保育・教育の取り組みを耕していきます。

この記事に関するお問い合わせ先

子育て支援課

電話番号:0761-72-7856 ファクス番号:0761-72-7797

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