田中さんの移住体験談

更新日:2020年10月15日

愛知から単身山代温泉へ。工芸作家として独立し活動田中さんの移住体験の文字と工房の前に立っている田中さんの写真

移住までの経緯・概要

  • 愛知県出身。
  • 高校生の時より漆器を作りたいと思い、愛知教育大学造形文化コースで漆芸を専攻。
  • 2006年4月 石川県挽物轆轤技術研修所に入所のため加賀市へ移住。
  • 2007年 日本伝統工芸会正会員「中嶋虎雄」氏に師事、更なる研鑽を積む。
  • 2010年 石川県挽物轆轤技術研修所専門コース卒業。
  • 2012年 「工房あかとき」を設立。
  • 以後、加賀市を拠点にアメリカ・ニューヨークをはじめ各地で個展、グループ展を開催。

移住のきっかけ

大学での実習の際、漆を塗っていて、木地が自分のイメージと違っていたり、製作を一から行っていないことにモヤモヤとした違和感を覚えることがありました。

そのちぐはぐさを、木地作りから漆塗りまで全てを自ら製作することで、払拭できるのでは?と思い、先ず、木地師を志しました。

他にも候補地はいくつかありましたが、大学の恩師などにも相談し、自分の思い通りに表現し、やりたい仕事ができる場所として加賀市を紹介され、移住を決意しました。

また、研修所の事務員の方が親身になって相談に乗ってくれたので、部屋さがしや、手続き等がスムーズにいきました。

当初、賃貸住宅に入居していましたが、工芸作家としての活動を考えると、一軒家の方が活動しやすいところがあります。

加賀市内でも空き家が増えていると聞いているので、空き家バンク等の情報の発信を積極的におこなっていただけると助かると思います。

移住してよかったこと・苦労したこと

よかったこと

古くから伝統工芸が盛んな地であるため、材料の調達や機材の確保に苦労することがあまりありませんし、わからないことを教えてくれる職人さんが身近にいることも、工芸作家として活動するには最適な環境だと思います。独立する際も、運よく、以前、職人さんが工房として使っていた建物をそのままお借りすることができたため、とても働きやすい環境を手に入れることができました。

また、歴史や文化も奥が深く、とても良い刺激を受けるほか、自然が豊富で食べ物も美味しいこともリフレッシュの要因です。

苦労したこと

車がないと交通面で不便を感じるかもしれません。また、雪の少ない地方から移住してきたため、雪が多いことにも驚きました。移住の際は、交通の便や家賃、買い物の便利さ等を重視しがちですが、その土地の気候や風土も考慮した方が良いと思います。

移住を考えている人へのアドバイス

移住するときのきっかけや理由はささいなことだったとしても、その地域でやりたいことを見つけることが大事だと思います。

先日、東京から学生が私の活動について興味を持って、訪ねてきてくれました。そういった小さなことでも、自分が加賀市に影響を与えている、また何かを残していると実感しています。

せっかく移住したからには、何か自分なりのミッションというか、そこで暮らしているための理由が見つかるはずです。それを見つけることができれば、生活がより充実するのではないでしょうか。

工房に展示されている赤いお椀を手に持っている田中さんの写真
作業場で作品の制作をしながら話をしている田中さんの写真

取材協力

工芸作家 田中瑛子さん

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