県指定文化財

更新日:2021年07月01日

有形文化財

建造物

無限庵御殿
(むげんあんごてん)

員数    1棟
所有者    公益財団法人無限庵
所在地    山中温泉下谷町
指定年月日    平成12年8月29日


尾小屋鉱山の経営者一族である横山章が、大正元年(1912)に金沢に建てた建物である。
大正10年(1922)、現在の場所に移築された。36畳の書院座敷と20畳の次の間からなり、近代建築でありながら伝統的な御殿建築として建てられている。琵琶床には漆器蒔絵が施された豪華な蹴込がはめられ、加賀に醸成された建築・工芸技術の粋を集めて作られた希少な建物である。

無限庵御殿の写真

 

 

絵画

絹本著色親鸞聖人絵伝    附宝徳元年裏書
(けんぽんちゃくしょくしんらんしょうにんえでん    つけたりほうとくがんねんうらがき)

員数    4幅    附旧裏書4紙2幅
所有者    専稱寺
指定年月日    平成11年11月26日


浄土真宗の開祖である親鸞聖人の生涯を描いた絵伝で、本願寺3代覚如が描かせた康永本系統の絵巻をもとに、詞書を分けて絵を軸装したものである。
こうした4幅本絵伝は8代蓮如以後数多く制作されたが、本例はそれ以前の7代存如から宝徳元年(1449)に下付されたことが裏書によって判明している。
当地方における蓮如以前の真宗教団の活動を知る上で貴重な資料であるとともに、箱書から筆者が土佐光信とされており、美術的にも高く評価されている。

絹本著色親鸞聖人絵伝の写真

 

 

彫刻

木造十一面観音立像
(もくぞうじゅういちめんかんのんりゅうぞう)

員数    1躯
所有者    薬王院
指定年月日    平成3年4月11日


もと白山五院大聖寺慈光院の本尊であったが、明治初期の廃仏毀釈の際、薬王院に移されたものである。
欅材一木造り等身大の堂々とした仏像で、像全体の重厚な作風や面相、裳の衣文などの様式から平安期の作と考えられる。仏教彫刻の優作で、白山の本地仏であり、南加賀の白山五院関係の希少な遺品としても歴史的意義が極めて高く、当地方の文化史上貴重な文化財である。

木造十一面観音立像の写真

 

 

工芸品

古九谷泊舟図大鉢
(こくたにとまりふねずおおはち)

員数    1枚
所有者    個人
指定年月日    昭和35年5月27日


甲形の大平鉢で、見込みに大きく1艘の舟を描き、網と艪を干した情景を描いている。口径47. 8センチメートルを測り、現在確認されている古九谷の中でも最大の作品である。
民画調の極めて抽象的な作品であり、全体に余白を活かした色絵古九谷に典型的な表現技法で描かれ、芸術性の高い作品となっている。

古九谷泊舟図大鉢の写真

 

 

鉄打出狛犬大置物
(てつうちだしこまいぬおおおきもの)

員数    1対
所有者    個人
指定年月日    昭和57年7月12日


作者の山田宗美は、明治4年(1871)大聖寺鍛冶町の武具鍛冶師の家に生まれ、父宗光から象嵌(ぞうがん)や打出しの技術を学んでいる。鉄打出しは溶接せず、すべてを1枚の鉄板から造形を作り出す技法で、金属の中でも伸びにくい鉄をあえて使い、細かな表現まで作り出すきわめて難しい技術で、「宗美の先に宗美なく、宗美のあとに宗美なし」といわれるほど高度な技法であった。
この作品は明治42年(1909)の日英博覧会に出品され、名誉大賞を受賞したもので、宗美作品の中でも最大のものである。

鉄打出狛犬大置物吽形の写真    鉄打出狛犬大置物阿形の写真

 

 

無形文化財

工芸技術

山中木地挽物
(やまなかきじひきもの)

保護団体    山中木地挽物技術保存会
指定年月日    平成22年4月2日


天正年間(1573~1592)に越前から移ってきた木地師集団が、良材を求めて山中温泉真砂町に移住したのが始まりと伝えている。その後、山中温泉地区に技術が伝わり、江戸後期には加飾挽きの技術が開発され、挽物技術が大きく発展した。加飾挽きには千筋や糸目筋など19種類があり、これらを削る鉋もすべて挽物職人が制作するのが山中木地挽物の特徴である。
職人の規模・質及び生産量において、全国の挽物産地の中でも群を抜いており、工芸史上重要な地位を占め、かつ地方的特色が顕著な木工芸の技術であるなど、芸術上価値が高い。

山中木地挽物の写真

 

 

民俗文化財

有形の民俗文化財

坂網猟法と用具
(さかあみりょうほうとようぐ)

員数    1組
保護団体    大聖寺捕鴨猟区協同組合
所在地    片野町
指定年月日    昭和44年3月19日


江戸時代に大聖寺藩士村田源右衛門が魚取の帰りに、片野大池近くに飛来してきた鴨を、持ち合わせたタモ網を投げあげて捕えることができたことから、以後藩士の鍛錬として奨励されたと伝えられる。
猟には坂網といわれるY字形をした網を用いる独特の技法で行われている。

坂網漁の写真

 

 

無形の民俗文化財

御願神事
(ごんがんしんじ)

保護団体    御願神事保存会
所在地    大聖寺敷地
指定年月日    昭和62年3月23日


南加賀に春の訪れを告げる御願神事は、菅生石部神社の例祭で、毎年2月10日に行われている。祭に使用される青竹の採集や大蛇に見立てられる大縄作りなど、一連の流れ全体が神事として進められる。
悪疫退散・大蛇退治に由来する神事といわれているが、元来は年頭の年占行事であったらしい。御願という名称についても、正月の願初めをしたところから付いたと伝えられる。

御願神事の写真

 

 

史跡名勝天然記念物

天然記念物

片野の鴨池
(かたののかもいけ)

管理者    片野町区長
所在地    片野町
指定年月日    昭和44年3月19日


片野海岸近くの丘陵に囲まれた片野大池は、全国有数の鴨類飛来地として知られている。通常の池は約1.5ヘクタールであるが、稲刈り後に水門を嵩上げして水田部分にも水張りをすると、約5倍の8.5ヘクタールにも及ぶ鴨池となる。これは同じく県指定有形民俗文化財となっている坂網猟のために、鴨類の飛来しやすい環境とするべく行なっているものである。こうした人と自然との共生が高く評価され、平成5年には世界的にも貴重な湿地として、ラムサール条約登録湿地となった。

片野の鴨池の写真

 

 

菅原神社の大スギ
(すがわらじんじゃのおおすぎ)

員数    3本
所有者    菅原神社
所在地    山中温泉栢野町
指定年月日    平成17年8月16日


国指定天然記念物栢野の大スギと同じく、栢野菅原神社境内にある杉の巨木群である。いずれも樹高35メートル以上の巨木で、これほどの杉の巨木が近接して林立する景観は他に例を見ない。神域として大切に保護されてきた結果であり、荘厳な雰囲気は人を圧倒する。
いずれも当地域の原生植生を知る上で貴重な自然遺産である。

菅原神社の大スギの写真

 

 

 

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