加賀市のスマートシティ推進のブレーン ・デジタルで加賀市の未来を切り拓く

更新日:2022年03月17日

デジタル人材が加賀市へ

加賀市最高デジタル責任者の山内智史さん

スマートシティを進める加賀市では、デジタル人材の育成と先端技術の導入による市内産業の高度化および産業集積を2つの柱としてさまざまな取り組みを行っています。このスマートシティの取り組みをより加速するために、首都圏の先端企業でデジタル分野での経験と実績をもつ人材を任期付き職員として昨年9月に採用しました。36歳の若さで加賀市の最高デジタル責任者として移住された山内さんにお話を伺いました。

山内 智史さん 加賀市CDO(最高デジタル責任者)

大阪府生まれ。東京エレクトロンおよびソニーで半導体デジタル業界を経験し、M&A戦略やエッジAI事業開発などに従事。欧州の3Dセンシング技術の買収プロジェクトにおいて12年ぶりに復活した新型aiboへの初実装成功に導いた経営管理が評価され社内表彰(企画管理部門MVP賞)を受ける。東京エレクトロンではエンジニアとして産業技術総合研究所の派遣研究員も兼務する経験をお持ちです。

宮元市長から辞令を受ける山内さん

宮元市長から辞令を受ける山内さん

移住のきっかけ

前職では半導体事業の経営戦略を担当していました。具体的には、経営課題の抽出やブランド戦略といった業務です。半導体業界にいる中で、半導体をつくってメーカーに販売する「売り切りモデル」に限界を感じていました。半導体の利用シーンまでサービスを包含するビジネスモデルを築けないか、と考えるようになり、「スマートシティ」が1つの大きなテーマになるなと自分の中で結論づけました。

そのような考えを持つ中で、加賀市がスマートシティを進めていて、さらにはデジタルの専門人材を求人していることを知り、まさにここだと感じて応募し、ご縁があって今に至っています。

仕事内容

市長の右腕として、デジタルやテクノロジーといった面でサポートする役割を担っています。

着任してから一番大きな仕事は、内閣府が募集していた「スーパーシティ型国家戦略特別区域」の申請に関することですね。内閣府をはじめとする各省庁とのヒアリングや交渉を毎週のように繰り返し行ってきました。その分野に詳しい専門家を相手に説明するのはかなりのインプットが必要で、なおかつ加賀市の未来も担っているというプレッシャーも感じていました。

先日専門調査会が開催され、加賀市を含む3自治体をスーパーシティと同格の国家戦略特区である「デジタル田園健康特区(仮称)」として指定する方向だという嬉しい知らせを聞き、これからますます仕事が楽しくなりそうですね。

職員との打ち合わせも気さくなムードで

職員との打ち合わせも気さくなムードで

移住後の変化

仕事でいうと、前職ではテレワークが基本だったので、こうして毎日市役所に通うというのはかえって新鮮です。コミュニケーションにおいては、対面も大切だなと感じますね。

プライベートでは、4歳の娘がいるのですが、首都圏で暮らしていた頃は保育園に預けるのは本当に一苦労だったのですが、加賀市ではすんなりと受け入れてくれる体制がありとてもありがたかったです。近くに大型の室内遊戯施設「かがにこにこパーク」もあり、何度も娘を連れて行きました。子ども医療費が18歳まで無料など、知れば知るほど加賀市の子育て支援は手厚いと実感しています。

ただ、車で移動することがほとんどなので、歩く機会が減りましたね。娘もちょうどこの春からプール教室に通うので、一緒にプールで泳いで体を動かそうと思っています。

首都圏のテレビ局の密着取材を受ける様子

首都圏のテレビ局の密着取材を受ける様子

今後のめざす姿

私のような経歴は珍しいのか、何度かマスコミにも取り上げていただきました。注目を浴びているのは期待されている証拠だと前向きにとらえています。

市長が実現したいことをデジタル面から手助けしているのが私の仕事です。今後もその軸をぶれずに仕事に取り組んでいきたいと思います。全国約1800ある自治体のうち、約900の自治体が消滅可能性都市と言われていますが、加賀市はいち早く脱却をめざしたいですね。そのための起爆剤となるものをデジタルやスマートシティというアプローチで考えていくことが自分の責務だと思っています。