生きもの共生策

更新日:2024年03月22日

加賀市内で取組んでいる生きもの共生策のご紹介

 加賀市共生農業推進協議会では、協議会メンバーの生産圃場で様々な「生きもの共生策」を展開しています。

以下にその内容を紹介します。

1.屑米、及び落籾を利用した餌資源の補給

屑米の添付作業をしている男性(左)と夜のたんぼで餌を採るトモエガモ(右)の写真

屑米、及び刈取り後の脱穀機械内に落ちた籾を圃場に散布し、越冬期の水鳥の餌資源を補給しています。餌付けにならないよう配慮しつつ、生産農家による水田付近の野生生物の保全活動をおこなっています。

2.猛禽ポストの設置

猛禽ポストの前に立っている男性4名(左)とポストで体を休めるノスリのカップル(右)の写真

 かつては、水田の周辺には稲穂を干すための「はさがけ」の木があり、それがノスリやサシバなどの猛禽が獲物を待ちかまえたり、サギ類などの水鳥たちが羽を休める憩いの場となっていました。でも今は乾燥機の普及により、はさがけの木が姿を消してしまってます。そこで「猛禽ポスト」を設置し、田んぼに穴をあけるモグラなどの害獣を退治してもらうことを期待しています。

3.冬水田んぼ(雨水田んぼ)

コハクチョウの群れ(左)と珍客のヘラサギ(右)の写真

 主なカモ類やハクチョウは水の中で餌を採る習性が強いため、冬の田んぼに水を張ると集まってきます。キツネなどの天敵から身を守るのにも効果的なため、安心して舞い降りてくるようです。無農薬をはじめとする安全な落穂を優先的に食べてもらうためにも有効な取組みです。ときにはヘラサギなどの珍しい渡り鳥も冬水たんぼで餌を採りにやってきます。

4.中干しの延期

仲良く並んで歩くチュウサギ(左)とゴイサギ(右)の写真

 通常6月上旬頃から実施する「中干し」は、田んぼの表面を乾かして稲を丈夫にしたり、田面を固くして秋の収穫時の大型機械(コンバイン)を入れやすくする作業です。これを梅雨明けの7月下旬ごろまで延期し、オタマジャクシやヤゴなどの水生昆虫が成長する期間を確保します。こうした水辺の生きものが豊かな田んぼには、餌を求めてサギ類などの水鳥がやってきます。

5.循環型資材の使用

地域の家庭や学校給食由来の発酵堆肥の散布作業をしている男性2名の写真

 有機農業とは本来、肥料や土づくりの資材を地域由来の資源でまかなう持続可能な循環型農業です。地域の外から(ときには海外から)資材を持ち込むのではなく、地域内の有効資源を循環させることにより、地球温暖化対策をはじめ、生物多様性や生態系サービスを守ることにつながります。

6.農薬選択基準の順守

殺虫殺菌剤・化学肥料不使用のオレンジラベル

加賀市共生農業推進協議会では、水田の落穂を主な餌資源としている水鳥を守り育むため、野鳥が摂取する稲籾に残留する農薬等の影響を極力予防・低減化する取組み等を推奨し、農薬の選択基準や削減基準、各種の関連法で規定される安全レベルの中でももっとも安全性の高いランクのものだけを選んで使用する「優農薬栽培」を実施しています。

優農薬栽培…落穂を籾ごと食べる水鳥たちの健康を守るため、籾殻に付着する残留農薬からの影響にも配慮し、農薬を厳しい基準で選択する農法。

詳細は下記リンクをご確認ください。

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環境課環境政策グループ

電話番号:0761-72-7892 ファクス番号:0761-72-7991

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