加賀市加賀橋立伝統的建造物群保存地区

更新日:2024年09月20日

        蔵六園前の写真 橋立の赤瓦の写真

                  板塀が連続する山崎通り                                          赤瓦の屋根

保存地区の概要

保存地区の名称

加賀市加賀橋立伝統的建造物群保存地区
(かがしかがはしたてでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく)

所在地

加賀市橋立町イ乙、ウ、ち、ナ、ノ、ホ、ム、ラ及びロの各一部

選定年月日

伝統的建造物群保存地区選定:平成17年4月1日

重要伝統的建造物群保存地区選定:平成17年12月27日

選定理由

<重要伝統的建造物群保存地区選定基準>

伝統的建造物群保存地区を形成している区域のうち次の各号の一に該当するもの

1.伝統的建造物群が全体として意匠的に優秀なもの
2.伝統的建造物群及び地割がよく旧態を保持しているもの
3.伝統的建造物群及びその周囲の環境が地域的特色を顕著に示しているもの

上記のうち、「2.伝統的建造物群及び地割がよく旧態を保持しているもの」に該当しています。

面積

保存地区の範囲図(加賀橋立)

保存地区の範囲

種類

船主集落

特定物件の件数

建造物107、工作物133、環境物件92        計332件

加賀橋立の歴史的な移り変わり

北前船の里の誕生

   橋立は、江戸初期までは日本海に面した小さな茅葺き農家が建ち並ぶ半農半漁の集落であったと考えられます。江戸中期になり、橋立の漁師の中から近江商人に引き立てられて船乗りになる者が生まれ、特に18世紀中頃になると、船乗りから北前船の船主になる者が現れます。北前船の船主は一族や村人を船頭や船乗りにしたので、村は廻船業で急速に発展し、18世紀末頃に橋立の船主と船頭の数は、あわせて42名にもなっていました。

   さらに分家や移住などにより次第に集落の人口は増え、集落の奥に延びる街路沿いに新しい家が次々と建てられるようになります。そして19世紀に入ると橋立特有の、切妻造妻入り瓦葺きの、従来から比べると格段に規模の大きな「北前船主型」の家が誕生します。特に天保年間(1830年頃)から明治初期(1870年頃)にかけて、この橋立の「北前船主型」の家屋形態は時代とともに発展進化し、洗練の度合いを深めてゆきました。

 

加賀型の間取り・橋立船主型の間取り(JPEG:95.8KB)

明治5年の大火と町並み復興

明治5年(1872年)、橋立は大火にあって多くの建物が失われます。 しかし、そのころは廻船業の最盛期でもあり、家作に対する制限もなくなっていたため、復興に際しては以前にも増して 豪壮な家が建てられました。明治も中頃になると橋立は大火の痛手から完全に立ち直り、新町通りや山崎通りに沿って 北前船主や船頭たちの巨大な屋敷が建ち並ぶ、華やかな時代を迎えたのです。

繁栄と衰退の跡が共存する町並み

   明治末期に海運業や鉄道の近代化が進むと、それまでの北前船主たちは、 そうした近代化の流れに取り残され、斜陽化します。 このとき橋立の北前船主たちの一部は北洋漁業に乗り出し、網元などになることで新たな方向性を切り開きました。 しかしその結果、北前船主たちの拠点は北海道などに移り、また船主たちの家族も函館などで暮らすようになります。 その後太平洋戦争の敗戦により、日本は北洋の漁業権を失ったことから、間もなく北洋漁業も衰退しました。

   こうした状況のなかで昭和の戦前から戦後にかけて、かつて橋立が天下に誇ってきた北前船主が相次いで没落します。 そして、豪壮な建物として知られたこれら船主屋敷の主屋や離れ、客殿などは、次第に失われました。それでも現在橋立には、まだかつての北前船主や船頭たちの豪壮な建物がいくつも残っています。 そして廃屋や空き地になった北前船主の屋敷地には、崩れかかった石垣や茂りすぎた庭木などがあり、かつての栄華を偲ばせると同時に、一方では滅び行くもの特有の美をそこかしこに漂わせています。

現状変更許可申請について

    伝建地区内において、現状を変えるなど歴史的風致の保存に影響を与える行為を行う場合は、「加賀市伝統的建造物群保存地区保存条例」に基づき、必ず現状変更の許可申請を市に提出し、許可基準に合致しているか審査を受ける必要があります。

 

伝統的建造物群保存地区制度について

伝建地区に訪れる皆様へのお願い

重伝建地区内は、住民が日常生活を送っている大切な場所です。個人の敷地や田畑、あぜ道への無断立ち入り、家の中を覗く行為、無断で戸を開ける行為は、絶対におやめください。

皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。

この記事に関するお問い合わせ先

文化課文化財保護グループ

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